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女子大生たちは「山の偉大さと心豊かな人びととの交流が忘れられない思い出になった」「こんなに楽しくて有意義な旅は初めて。
学ぶことも多かった。
また来るつもり」などなど、すっかりネパールの虜になったようだ。
OLの1人が「短い期間だったが、大勢の人と知り合えてよかった。
強い人間同士のつながりや、隣近所が助け合って生きている姿を見ていると、私たち日本人のほうがおかしい、とだんだん思うようになった。
友達にもネパールの旅を勧めます」と。
前述のトレッキングの1年前のこと。
3月初旬のある夜、私の自宅に見知らぬ人から電話がかかってきた。
「今日、守口市(大阪府)の公民館で先生の″世界の秘境探検″の講演を聞いた者ですが、終わってから誰かが、次はどこに行きますかと聞いたとき、先生はたしか、近くネパールへ出かけるといったと思います。
私を連れていって下さい。
78歳のおばあちゃんですが。
先生の家の電話番号は、公民館で教えてもらいました」と。
年に似合わず元気そうな声だったので、翌日、大学の研究室で会うことにした。
大学の近くで1人住まいをしているそのNさんは、自転車でやって来た。
みると腰が60度ほど前に曲がったままだ。
声は年齢より若いが、体つきと顔や手のシワはもっと老けてみえる。
観光だけの旅行ならともかく、トレッキングはとても無理だと思って、「どうしてネパールへ行きたいの?」と聞いてみる。
「おじいさん(つれあいのこと)が山好きで、若いときは、日本アルプスの山をずいぶん登った。
死ぬまでにヒマラヤを見たいと、口ぐせのようにいっていた。
一緒に行こうと思ってパスポートもとったのに、2年前にガンで亡くなってしまった。
できれば私が代わって、おじいさんの分までヒマラヤを近くから見たいのです」と、涙ながらに力強くいった。
その心意気に感動して、なんとかトレッキングの全行程に連れていってあげたいと思い、すぐさま私が関係する旅行社と、現地カトマンズのエージェントに連絡した。
まもなく現地から「任せて下さい。
ウマと駅者、屈強なポーター2人を用意したからOKだ。
歩けるところだけ歩いて、あとはウマに乗るか、ポーターに背負ってもらえばよい」という返事。
カトマンズで旅行エージェントを経営するその人とは、30年以上も家族でカトマンズに住み、ネパールのことは誰よりもよく知る日本人のOさんである。
私とも25年来の知己で、まことに心強い存在だ。
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